医師のちょっとしたひと言が気になる胃がん患者の胸の内
Dさんは、「まさか、担当医の『少し気になりますが……』という言葉はどんな意味だったのでしょうか? などと聞くわけにもいかないな」と考えながら通りすぎました。
会計を済ませ、病院の向かいの薬局で薬を受け取ってから、帰宅のために電車に乗りました。駅から自宅まで歩きながらの帰り道では、頭の中に「お腹のリンパ節が気になりますが、きっと大丈夫でしょう」という言葉が繰り返し浮かんできます。
そして、「医者の漏らしたひと言について聞けるシステムはないものだろうか? あれはどんな意味でしたか? と聞ける仕組みがあればいいのに」と思いました。
さらに、「そのひと言の意味が分かったとしても、目の前が晴れる場合と逆に悩みが増す場合があるのかもしれないな……」などと考えたりして、Dさんはすっきりしないまま年を越すことになりました。
■がん相談支援センターにも立ち寄れず…
年が明けて最初の診察では、担当医が前回のCT検査の画像を見ながら今度は首をかしげました。それを見たDさんはたずねます。