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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

俳優・辻萬長さんが治療で大河ドラマ降板 腎盂がんは30%が膀胱にも転移

公開日: 更新日:

 残念なニュースです。俳優の辻萬長さん(77)が、腎盂がんの治療のため、来年の大河ドラマを降板すると報じられました。

 腎盂は、腎臓の中にあり、じょうごのような役目を果たしています。糸球体で作られた尿は、腎盂でまとめられ、尿管を通って膀胱へ。膀胱にたまった尿が一定量を超えると、尿意を感じ、尿道から排出されます。

 尿の通り道である腎盂から尿道までの尿路は、すべて移行上皮という組織で、腎盂がんは移行上皮がんです。一般に腎臓がんというと、腎臓の実質的な働きを担う腎細胞ががん化し、悪性腫瘍になったものを指します。この点で、腎盂がんと腎細胞がんはまったく異なる病気で、治療法も違うのです。

 腎盂や尿管は、尿路の上部にあたります。この部分にがんがあると、約30%に膀胱にもがんがあり、逆に膀胱がんの5%には、腎盂や尿管など上部尿路にもがんができやすい。

 このような性質から、腎盂がんが見つかると、尿路すべての検査が不可欠です。治療は手術が基本。転移がなければ、がんができた方の腎盂を含む腎臓と尿管、膀胱の部分切除をするのがセオリーです。

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