著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

俳優・辻萬長さんが治療で大河ドラマ降板 腎盂がんは30%が膀胱にも転移

公開日: 更新日:

 腎盂がんは、一般の腎細胞がんに比べて、対象となるエリアが広い。その点で厄介といえるかもしれません。ただし、腎臓は2つあるため、もう1つが正常なら、術後の生活は特に支障ありません。

 転移がなくても手術が難しければ、抗がん剤治療をしてから手術することも。逆に術後に転移の恐れがあると、抗がん剤をプラスします。

 症状は血尿が典型ですが、初期はほとんどありません。がんが進行して大きくなると、その部位からの出血が固まり、尿管が閉塞。そこから下流に尿が流れにくくなり、がんがある側の腰や背中、脇腹などが痛むことがあります。水腎症と呼ばれる症状です。

 人間ドックや別の病気で受けた腹部エコー検査によって、腎盂などの異常が見つかり、無症状で発見されることも珍しくありません。尿検査の顕微鏡的血尿で発見されるのもひとつです。

 膀胱に再発すると、膀胱全摘が必要になる可能性があります。そうなると、人工膀胱を余儀なくされ、生活の質が大きく損なわれますから、腎盂がんは特に早期発見、早期治療が大切でしょう。そのためには、がん検診や毎年の健康診断をおろそかにしてはいけません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  2. 2

    五輪ニッポン「破産」するスポーツ団体が続出か…JOCは早くも助成金の大幅減額通達

  3. 3

    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

  4. 4

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  5. 5

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  1. 6

    シーズン中“2度目の現役ドラフト”実施に現実味…トライアウトは形骸化し今年限りで廃止案

  2. 7

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸300億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」

  3. 8

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  4. 9

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  5. 10

    佐々木朗希の今季終了後の「メジャー挑戦」に現実味…海を渡る条件、ロッテ側のスタンスは