口腔がんの早期発見を可能にする「AI診断支援システム」
AIには、大量の画像から自動的に特徴などを抽出・分析する「ディープラーニング(深層学習)」の技術を応用。大阪大学歯学部の症例をはじめ、全国6施設の共同研究機関から現時点で約4万枚の口腔粘膜疾患画像を収集して、診断情報のラベルを付与したデジタルデータを使用。これは同分野の研究において、世界屈指の規模を誇るデータ量になる。
研究機関としては、「悪性腫瘍」「口内炎」「白板症」「良性腫瘍」の4疾患を判別するAIの作成を進めており、実用化に向けては、歯科開業医などの1次医療機関のニーズを踏まえた上で、AIの仕様を決定するとのことだ。
「すでに口腔粘膜疾患の判別において、非常に高い精度を達成しています。特に『悪性腫瘍』と『口内炎』の判別において学習モデルの精度は、今年6月に開催された日本頭頚部癌学会のシンポジウムで『感度、特異度ともに95%以上』と公表しています」
この口腔がんのAI診断支援システムは、1次医療機関向けとして主に一般歯科医院が利用するシステムになる。近い将来の実用化を目指しているという。