コロナで献血が激減…命を支える治療のひとつ「輸血」の重要性
血小板輸血はいつでも供給されるわけではありません。特に正月は献血者が減るため、前年の年末に血液センターから血小板輸血を供給できる日とできない日の予定が知らされます。医師は入院治療中の患者の状況を見ながら、その日に合わせて血小板輸血を申し込んでおきます。
当時、一番困ったのは、年末に新規で入院した急性白血病の患者の治療でした。血小板輸血の予定が組まれていない状況でも、治療は待ったなしです。患者はもちろん大変ですが、私たちも正月は吹っ飛んでしまいます。それでも、正月が過ぎて病気が良くなり完全寛解になった時は、この上ない喜びがありました。
血漿製剤の輸血は、新鮮凍結血漿から「血漿分画製剤」が作られます。これには、「免疫グロブリン」「血液凝固因子」「アルブミン」「フィブリン接着剤」などが含まれ、病気によって使い分けられます。
赤血球や血小板輸血は凍結して保存しておくわけにはいきません。特に血小板製剤の保存期間は採血後4日以内です。
献血者の中には、これまで何十回も献血された方がいらっしゃいます。大変ありがたいことです。白血病などの病気を克服するために、輸血はとても大切なのです。
コロナ禍で、いまは正月でもないのに献血者が減っています。献血できるのは70歳未満の方です。献血ができる若い世代のコロナワクチン接種を急いで欲しいと思います。