著者のコラム一覧
下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

輸血も在宅で可能 不快症状が改善して余命が延びる人もいる

公開日: 更新日:

「そんなことまで在宅でできるの?」と驚かれる医療のひとつに、輸血があります。輸血は手術や事故などで大量出血した時のほか、病気や抗がん剤の副作用で血液の成分をつくれない時、血液の成分が大量に消費される時、血液の成分が壊される時などに行われます。患者さんの負担をより軽くする意味合いから、輸血は在宅医療に非常に適していると私は考えています。

 病院で輸血する場合ですと、ほかの患者さんもいるために順番待ちをせねばならず、血液検査などを含めるとどうしても3~4時間はかかってしまいます。場合によっては入院が必要となることもあります。一方、在宅医療では患者さん一人を集中して診ることができるので、所要時間は1時間ほど。輸血中は医師が患者さんの横について見守っているので安心です。

 それにこれまでの経験から言えることですが、だいたいの余命を宣告された患者さんが在宅で輸血を受けた結果、比較的元気な期間が続くという方が珍しくないのです。たとえばこんなケースがありました。

 それは、急性骨髄性白血病と診断された70歳の男性の患者さん。病院に入院し寛解導入療法という、骨髄中に増えた白血病細胞を死滅(寛解)させ正常な血液細胞を増やす強力な抗がん剤治療を受けたものの、寛解とはなりませんでした。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    男性キャディーが人気女子プロ3人と壮絶不倫!文春砲炸裂で関係者は「さらなる写真流出」に戦々恐々

  2. 2

    協会肝いりゲームアプリ頓挫の“張本人”は小林浩美会長…計画性ゼロの見切り発車で現場大混乱

  3. 3

    巨人・田中将大 戻らぬ球威に焦りと不安…他球団スコアラー、評論家は厳しい指摘

  4. 4

    SixTONES新冠番組を潰しにかかるTBS日曜劇場の本気度 道枝駿佑、松本潤、目黒蓮が強力な"裏被り”連発

  5. 5

    長渕剛「理不尽と戦ってほしい」鹿児島の母校卒業生にエールも…元女優から新たな告発

  1. 6

    侍J井端監督が正捕手に据えたい大本命は…3月強化試合への招集は「打倒甲斐」のメッセージ

  2. 7

    「胎動」と「混迷」が交錯するシンドイ2年間

  3. 8

    吉幾三(5)「お前のせいで俺と新沼謙治の仕事が減った」

  4. 9

    長山藍子のおかげでわかった両眼のがんを極秘手術

  5. 10

    ニセコで横行する「海賊スキースクール」…中国系インストラクターやりたい放題で認定校とはイタチごっこ