がん医療は変わってしまった…夫を亡くした看護師からの手紙
某市にあるC病院での出来事です。入院中の夫がいるB子さんは、面接室で担当医から、こう告げられました。
「今のままでは、いつ亡くなってもおかしくない状態です」
B子さんは「分かりました」と言って、夫のAさん(58歳・建設会社勤務)がいる病室へ戻りました。Aさんは進行した肺がんで、すでに抗がん剤はやり尽くし、今回は呼吸困難となって入院されました。
Aさんは鼻から酸素吸入を受けながら、部屋に戻ったB子さんに向かって「大丈夫だよ」とほほ笑みました。コロナ禍で長く病室に滞在することはできません。B子さんは少しだけホッとして病院から離れました。
B子さんが自宅に戻っておよそ30分後、携帯電話が鳴り、担当医から、すぐに病院へ戻るよう言われました。
B子さんが病室に駆け付けると、担当医と看護師がベッドの脇に立っています。Aさんの呼吸は止まっていました。
「20時34分、亡くなられました」