腕にできたしこりはどう処置する?良性なら放置して大丈夫か
前回、腕や足をはじめ、皮膚を通して体表から触ることができるしこりの特徴についてお話ししました。
ほとんどが「良性」ですが、「悪性」の場合は、例えば乳房の「乳がん」、喉仏の下の「甲状腺がん」であれば主に外科手術や抗がん剤による治療をします。首やわきの下、足の付け根といったリンパ節にできる「悪性リンパ腫」は、白血球の中のリンパ球という細胞ががんになったものなので、抗がん剤による治療が基本になります。手足の筋肉や骨にできる「骨肉腫」「脂肪肉腫」なら、放射線治療や化学療法に加えて、病変がある主要な部位を切断するケースもあります。
一方、「良性」のしこりの場合は放置しても構いません。多いのが、脂肪の塊である「脂肪腫」で、ぽつんと1個できるのが特徴。3年で一回り大きくなる程度で、気にならない方も多いですが、数年以上経過し大きくなり、「首の後ろにできたしこりが枕に当たって痛い」「前腕にあって目立つ」といった相談は少なくありません。
処置は皮膚科や形成外科で、外科的切除をします。小さなしこりであれば局所麻酔をし、直上の皮膚を切開して腫瘍を摘出、しっかりと止血し縫合します。日帰り手術も可能です。また、中にゼリー状の物質が詰まった腫瘤「ガングリオン」は、注射器で腫瘤の物質を吸引する処置や皮膚の上から腫瘤を押しつぶす治療法もあります。繰り返しできるようなら、局所麻酔による外科手術によって取り除きます。