コロナによる受診や手術控えは心臓に何をもたらしているのか
渡辺総長は知る人ぞ知る心臓外科の名手。ドイツ留学中の31歳のとき、心臓移植のチーフレジデントとして日本人最年少の心臓移植執刀医となった。1993年に人工心肺を用いない、心臓を動かしたままのバイパス手術(心拍動下冠動脈バイパス手術=ОPCAB)を成功。1999年には世界初の完全内視鏡下の冠動脈バイパス手術を行った。41歳で国立金沢大学医学部の心肺・総合外科の教授に就任。心臓アウェイク手術(自発呼吸下心拍動下冠動脈バイパス術)、外科手術用ロボットのダビンチを使った心臓手術など、国内初の手術を次々に成功させている。その渡辺総長でも、症状が進んだ心臓病は手の施しようもないケースもあるという。
「心臓病は発見が遅れるほど打つ手が少なくなってきます。ですから新型コロナが収まっているいまこそ、心臓を診ることが大切なのです」