ロボット心臓手術は何が凄い? 体だけでなくフトコロにも優しい
心臓の手術というと、かつては胸の中央を肋骨ごと20センチ以上切る正中切開がほとんどだった。その後、肋骨と肋骨の間を10センチほど切開して開胸器で押し広げる低侵襲性心臓手術「MICS」が登場。いまは切開したところから高画質の内視鏡を挿入し、「内視鏡下MICS」がようやく全国でも開始されたが、85%の患者はまだ正中大開胸手術を受けている。
■2センチ未満の穴を3~4カ所開けるだけ
ニューハート・ワタナベ国際病院では、このMICSをさらに進化させ、手術支援ロボット「ダビンチ」によるロボット心臓手術を行っている。
「ロボット心臓手術は7~8センチ切開するMICSと近いところに直径1センチの小さな穴を3~4カ所空け、そこから鉗子などの手術器具を挿入するだけで手術を終えることができます。そのためこの手術法では、①傷口が小さい、②出血が少ない、③術後の痛みが少ない、④早期退院が可能といったメリットがあります。開胸手術のように肋骨を切らないので、肋骨感染の心配もありません。ですから、働く女性にも人気になっています」