著者のコラム一覧
田中智子「うぐいすヘルスケア株式会社」代表取締役

シーメンスの補聴器部門でマーケティングの勤務を経て、2020年補聴器販売会社「うぐいすヘルスケア株式会社」設立。認定補聴器技能者資格保持。

近年注目の耳鳴り治療 脳への電気信号を増やし興奮を抑える

公開日: 更新日:

 耳鳴りは、実際の音が鳴っているわけじゃないのに脳が音を作り出す異常な音感覚であると前回お伝えしました。

 現在、わが国におけるこの耳鳴りの有病率は、全人口の約15~20%であり、さらに65歳以上の高齢者では30%以上が耳鳴りで苦痛を感じているとされています。

 しかし日本では1984年に「標準耳鳴検査法」が作成され、93年に改正されたものの、20年間も改正されていませんでした。一方欧米では研究が進んでおり、日本でも診療ガイドラインの作成が強く求められていました。そんな中、ようやく2014年に「耳鳴診療ガイドライン」の開発に関する研究が採択され、慶応大の小川郁教授を代表にして3年余りかけ、耳鳴診療ガイドラインが19年に完成しました。

 それによると耳鳴りの治療法として、薬物療法・補聴器・音響療法・認知行動療法・手術があるとされていますが、中でも最近注目されているのが、補聴器を利用した音響療法なのです。

 補聴器を用いた音響療法は、聞こえにくくなっている音を補聴器によって大きくし、脳に届く電気信号を増やします。それにより本来の聞こえている状態に近づけ、脳の興奮を抑えて耳鳴りを軽減するのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…