毎日40分の散歩で脳の海馬の体積が増え記憶力が向上する
「あれ、名前が出てこない」「スマホをどこかに置き忘れてきてしまった」──。加齢による物忘れは仕方のないこと。とはいえ、思い出せなかったり、忘れてしまうことが何度も続くと、自分が心配になってしまうと思います。
そのため、日頃からジムに通ったり、ジョギングをしたりして、なるべく体を動かそうと心がけている方も多いのではないでしょうか。体を動かすということでいえば、「散歩を続けると、記憶力をつかさどる海馬の体積が上がる」というピッツバーグ大学のエリクソンらの共同研究結果(2011年)が存在します。
研究では、55~80歳の約800人に、毎日40分の散歩を続けてもらったところ、1年後にほとんどの人の海馬の体積が2%ほど増加している傾向が明らかになったそうです。実に、年齢にして「1~2年若い状態に戻る」ほどの効果だといい、記憶力も改善する傾向にあったと報告されています。体に良いというイメージのある散歩ですが、まさか脳にも効果があるとは目からウロコです。
この実験は、散歩をはじめ有酸素運動をしてもらうことで、どういった効果が表れるのか検証しました。散歩以外にも、エアロビクスや水泳、ジョギングなどを行ったのですが、それらの運動にも海馬の体積増加は確認されたのです。