オミクロン株は本当に脅威なのか? 統計から見えてくる新型コロナの実態
医療情報学の専門家が特別投稿
年が明けた途端、新型コロナウイルスの感染が再び急拡大し、第6波の到来と騒がれている。しかも今回は新顔のオミクロン株が中心とあって、政府や医療界が警戒を強めている。
WHO(世界保健機関)は、オミクロン株による重症化リスクは、デルタ株と比較して低い可能性があると言っている。しかし同時に、オミクロン株は風邪ではない、軽い病気と考えるべきではないとも言っており、見解が定まらない。
こういうとき、統計を眺めてみると、全体的な傾向が見えてくることがある。
そこでまず、米ジョンズ・ホプキンス大学の集計(COVID-19 Dashboard)をのぞいてみよう。すると世界全体の感染者数と死亡数の推移は表①のようになっていた。つまり、世界的に見ると、12月に入ってから感染者数が増加に転じ、とくに年明けから爆発的に増加していることが分かる。ところが死亡数は逆に減少している。
日本に限った動きも、だいたい同じである(表②)。年末から感染者数が増え始め、年明けに一気に増えてきた。だが死亡数は増えていない。1月3日の週で見れば致死率は0.03%になる。