脳を刺激し記憶力アップを狙うならちょっとだけ新しいことを
「新しいものによる刺激は、学習能力を向上させるだけでなく、記憶力も高める」というユニバーシティー・カレッジ・ロンドンとオットー・フォン・ゲーリケ大学の研究者らの報告(2006年)があります。新しいものを目にすると、われわれは何らかの形で報酬が得られる可能性があると考え、脳が活発化しやすくなります。
逆に、刺激に慣れてしまうと、脳はそれが報酬と結びつかないものと学習し、中脳の活性化につながらない状態に陥ってしまいます。
あの頃は楽しかった、昔に比べると今は面白くない--。人は年を重ねると、どうしても過去を振り返りがちになってしまいます。昔を懐かしむのは、決して悪いことではありません。過去の自分の姿に触発されて、「よしもう一回がんばってみよう!」と、ときに自分自身の背中を押す原動力にもなってくれます。
しかし、昔を懐かしむだけではなかなか活力は生まれません。定期的に新しい刺激を自分に与えるからこそ、脳は輝きを取り戻します。中には、「新しいことを始めると、かえって脳が疲れてしまうのでは?」と考える方もいるかもしれませんが、決してそうではありません。