西本真司
著者のコラム一覧
西本真司西本クリニック院長

医師になって34年。手術室麻酔、日赤での緊急麻酔、集中治療室、疼痛外来経験後、1996年6月から麻酔科、内科のクリニックの院長に。これまでに約5万8000回のブロックを安全に施術。自身も潰瘍性大腸炎の激痛を治療で和らげた経験があり、痛み治療の重要性を実感している。

29歳で潰瘍性大腸炎に… 神経ブロックで強烈な痛みが消えた

公開日: 更新日:

 私は神経ブロック治療を中心として、疼痛(とうつう)管理をする麻酔科の医師です。父も麻酔科の医師でした。尊敬する父の背中を見て、私も麻酔科を目指したのですが、医師として毎日が充実し、夢と希望にあふれていた29歳の時、思いがけないことが起こりました。熊本赤十字病院麻酔科に勤務中、過労が原因で中等度の全結腸型の潰瘍性大腸炎(全大腸炎型)になったのです。

 当時、全大腸炎型は、10年後に大腸がんになる確率が健常者の7~10倍高いタイプだと説明を受けました。1990年当時の潰瘍性大腸炎の患者数は2万2000人程度で、一般的にはそれほど認知されていない疾患でした。しかし、医師であった私はこの病気の難治性とやっかいさを理解していたため、大きなショックを受けたのです。苦しい治療が続きました。その後4度再燃し、合計7年間、4回の治療入院を経験しました。

 潰瘍性大腸炎がつらいのは、トイレに行く回数がものすごく多いことと、下痢と血便の強烈な痛みにさいなまれることです。トイレは1日に40回以上はザラで、昼でも夜中でもトイレとベッドの往復でグッタリして、2度目の入院時は1カ月で体重が23キロも落ちてしまいました。最後のほうは血便しか出ず、臨死体験まで経験しました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    ソフトB山川穂高「無神経ぶり」改めて露呈…31試合ぶり本塁打も身内から異論噴出

    ソフトB山川穂高「無神経ぶり」改めて露呈…31試合ぶり本塁打も身内から異論噴出

  2. 2
    小池都知事が“アキバ降臨”も演説ドッチラケ…若者文化アピールに「うそつき!」とヤジ飛ぶ

    小池都知事が“アキバ降臨”も演説ドッチラケ…若者文化アピールに「うそつき!」とヤジ飛ぶ

  3. 3
    ソフトB山川穂高 数字では測れない「4番の価値」…打てない時期もチームの躍進に大貢献

    ソフトB山川穂高 数字では測れない「4番の価値」…打てない時期もチームの躍進に大貢献

  4. 4
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 5
    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

  1. 6
    石丸伸二候補に大逆風…「恫喝」訴訟で2連敗、都知事選後の国政進出シナリオも狂いが

    石丸伸二候補に大逆風…「恫喝」訴訟で2連敗、都知事選後の国政進出シナリオも狂いが

  2. 7
    都知事選最終盤に飛び交う「蓮舫狙い撃ち」の怪情報…永田町に出回る“石丸2位”データの真の狙い

    都知事選最終盤に飛び交う「蓮舫狙い撃ち」の怪情報…永田町に出回る“石丸2位”データの真の狙い

  3. 8
    巨人・桑田真澄二軍監督が「1人4役」大忙し…坂本勇人を感激させた“斬新アドバイス”の中身

    巨人・桑田真澄二軍監督が「1人4役」大忙し…坂本勇人を感激させた“斬新アドバイス”の中身

  4. 9
    中日ポスト立浪は「侍J井端監督vs井上二軍監督」の一騎打ち…周囲の評価は五分五分か

    中日ポスト立浪は「侍J井端監督vs井上二軍監督」の一騎打ち…周囲の評価は五分五分か

  5. 10
    大食いタレント高橋ちなりさん死去…元フードファイターが明かした壮絶な摂食障害告白ブログが話題

    大食いタレント高橋ちなりさん死去…元フードファイターが明かした壮絶な摂食障害告白ブログが話題