著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

やる気を「出せる・出せない」は、好き嫌いより人から認められるかどうか

公開日: 更新日:

「シジフォス実験」と銘打ったこの実験では、レゴが大好きな被験者を対象に行われました。内容は、レゴを組み立ててモノを作るように指示し、完成したら被験者の目の前で成果物を解体する。それを何度も繰り返し、どのタイミングで被験者がやる気を失うかを調べたというのです。まるで賽(さい)の河原のような光景です。

 結果、やる気を失わせるには回数ではなく、シンプルにその人の仕事を無視し、徒労感を与えればいいということでした。半面、やる気を出させるには、その人の仕事を認め、ねぎらいの言葉をかけてあげればいいということでした。

 たとえ自分が大好きでこだわりがある仕事だったとしても、相手にされなく、徒労感を感じてしまえば、人はやる気を失ってしまいます。反対に、さほど興味がなく、モチベーションが上がらなくても、やってみた結果を人から褒められれば、やる気は思いのほかすくすくと育つ……。なんとも人間は現金な生き物なのです。

 先の会話で言えば、ジョギングが苦手な人も、第三者から「最近、やせた?」とか「顔色がよくて健康的だね」などと言われれば、その気になってしまうのです。手応えをどうやってつくり出すかが大事であって、好きか嫌いかはさほど重要なことではないのですね。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇