コロナ第7波急拡大 変異を繰り返し抗体が追い付かない
コロナ感染急拡大の主流となっているオミクロン株BA.5。重症化は少ないが、感染力が異常に強く、それゆえ医療崩壊が心配される。BA.5とは何ものなのか。現場で診療にあたる感染症が専門の奥田医師に聞いた。
【Q】BA.5はこれまでの株とどう違うのか
【A】今までは主にアルファ、ベータ、デルタという株、そして1年ほど前にオミクロン株という種が南アフリカから出現しました。それがいくつか変異を繰り返し、現在BA.1~5という株にそれぞれ変異しています。とくにBA.5株は今までのオミクロン株よりも1.3倍ほど感染速度が上がっているため、日本中の多くで感染の大部分を占めるほど増加しているのです。
【Q】ここまで変異すると、従来のワクチンは効きにくいのか
【A】オミクロン株は、ウイルスの表面のスパイクタンパクが30カ所以上で変異を起こし、ヒトの細胞との付着がさらに強くなり、感染が広がっているのです。これまでのワクチンから出る抗体は、このスパイクタンパクが、ヒトの細胞のウイルスレセプターと結合することを阻止するように作られていました。しかしその阻止有効性が変異したため、3割ほどに落ち、ワクチンがあまり有効でなくなってきているのです。さらに、幼小児はワクチンを打っていなかったり、若い人は3回目をためらっているために抗体量も少なく、それで急拡大しているのです。しかし、従来のワクチンでも重症化リスクを防ぐ効果はあるので、ワクチンは早く打ってください。