そのままで、スープで、冷製パスタで…桃ざんまいの季節
子供の頃は「桃」といえば「そのまま食べる」しか頭になかったが、大人になってから、そうではないことを知った。
桃がスープに?? 上京して間もない27歳の時、仕事で知り合った方が大変な美食家で、ある時こう言ったのだ。
「軽井沢のフレンチレストランで、夏の間だけ限定で桃のスープを出してくれるのよ」
信じられへーん(記者は大阪人)! 早速出かけた軽井沢のそのレストランでは、凍った桃が皿の上に乗って出てきた。桃の上部(フタのようになっている)を開けると、くり抜かれた中身には桃のポタージュが。最高においしかったが、社会人になったばかりの身にはぜいたくだな、と思ったことを覚えている。
7月、知人の妹さんがパートナーとやっているビストロでいただいたのが、桃のスープと桃の冷製パスタ。スープは軽井沢で食べた時よりも、なんというか、もっと身近に感じる味。うまーい。圧巻は桃のパスタで、厚切りの桃がパスタの上にゴロゴロ。間違いなく、うまーい。桃のパスタがメニューにある間にまた来なくてはと、その場で8月の予約を入れた。