すべて自分でやろうとしない 利用できるサービスは利用を
まだ家族に療養が必要な患者はいないけど、いずれは家族の誰かが医療サービスを受けることになるかもしれないと、将来を心配されている方は多いはずです。しかしほとんどの方は明確なイメージを持たぬまま、ただ漠然とした不安だけを抱え、それでも心の備えもなく日常を過ごされていることでしょう。
一般的に病気になったとき、その程度や状況に応じて治療を受ける方法は3パターンです。
まずは通院があります。当然ながら比較的軽症であり、通院できる体力もあり、ADL(日常生活動作)も高いレベルで維持されている方が大半になります。
それがやがてなにかのきっかけで低下しはじめると、最初は自分ひとりで通院できていたのが、いつしか家族の介添えがないと病院に通えなくなる。やがて薬をもらいにいくのも大変になってきます。そして病状も悪化すると、ここで初めて入院するか、在宅医療にするかとなるわけです。
ですが、いまはなんの疑問も挟まずに入院を選択する方が圧倒的に占めているのが現実です。中には病状の急変に慌てて救急車を呼ぶ方も少なくないのですが、この場合は確実に運ばれた病院での入院を余儀なくされてしまいます。そもそも在宅医療そのものを知らない方もいます。