アルツハイマー病の薬「レカネマブ」は夢の新薬と言えるか?
1795人中898人に新薬レカネマブを投与、897人にプラセボ(偽薬)を投与。投与のスパンは2週間に1回で、静脈注射です。18カ月後に、認知機能や身体活動などを総合的に詳しく調べました。
すると、新薬投与群では症状の悪化が27%抑制。早期アルツハイマー病の進行度などを評価する指標「ADCOMS」では、症状の進行が24%抑制との結果でした。
画像検査では、脳内に蓄積したアミロイドβの18カ月後の変化が見て取れ、プラセボ群では蓄積が増加していましたが、新薬群では減少。蓄積度を示す指標も、新薬投与群で大幅に減少していました。
■やっと夜明けがはっきり見えてきた
一方、安全性については、投与した患者の12%に副作用とみられる脳の浮腫がみられました。さらに脳の出血も17.3%にみられました。しかし、いずれも大部分は軽症で、発見4カ月後には消失。
また、臨床試験期間の18カ月を過ぎて新薬の投与を続けていた1608人中2人が脳出血を起こして死亡。また、プラセボ群897人中1人も、脳出血で死亡しています。新薬投与で死亡した2人は合併症があり、抗凝固薬(血液サラサラ薬)を併用していたこともあって、治験安全評価委員会はレカネマブが原因ではないとしています。