がん治療でよく耳にするが…「病理学」って一体何のこと?

公開日: 更新日:

【Q】60代男性です。定年になり、好きな読書に励んでいます。先日、「白い巨塔」(山崎豊子著)という小説を読み返しました。そこに登場する病理学者の大河内教授が「医学とは病理から出て病理に帰する」という発言をしていました。これはどういう意味なのでしょうか? がん治療でよく耳にしますが、そもそも病理学とはどういう学問なのですか?

【A】 懐かしいですね、「白い巨塔」。私も昔、読みました。一時、私ががん治療に身を投じたのはこの本の影響かもしれません。

 さて、人は体の構造、機能、代謝などが正常範囲を逸脱したときに病気になります。病理学とは病気の原因とメカニズムを究明する学問のことです。病気になった患者さんの体に生じている変化がどのようなものであるか、を研究します。具体的には、細胞、臓器、組織の標本を肉眼もしくは顕微鏡などで検査して、病気になったときにどのような変化を遂げるのかを調べるのです。むろん、その究極の目的は有効な病気の予防策や治療法をつなげていくことです。つまり、病理とは医学の基礎(研究)であり、臨床(治療)に橋渡しする存在ということになります。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇