小中学生の8.8%が該当 発達障害は「触覚過敏」に悩むケースも多い
「発達障害と診断される人は年々増えていますが、原因は分かっていません。近年のSNSの発達によって、いろいろな人とのコミュニケーションが求められる環境になってきています。おそらく、多くの人とコミュニケーションを取る際に困難や問題が生じて、クリニックを受診し、発達障害の診断が下りる人が増えているのではないでしょうか」
家族、友人、同僚、部下など身近なところに発達障害を抱えて苦しんでいる人がいてもおかしくない。だからこそ、周囲もしっかり理解したうえで、適切な対応が重要になる。
■衣類のタグや素材に気を配る
中でも、無視できないのが「触覚過敏」の症状だ。和田氏らが発達障害の人を対象に行った「感覚」に対する調査で、特にASDの人は「触覚」の問題が最もつらい症状だと答える割合が、ADHDやLDに比べて多いことが分かったという。
「これまで、発達障害の人は聴覚が過敏であることはよく知られていました。実際、発達障害を持つ人のうち50%以上の人が、聴覚の問題を最もつらい症状と回答しています。しかし、ASDでは『服のタグが肌にあたりチクチクしてつらい』『人と握手したり触られるのが苦痛だ』と訴える人が多かったです。また水や粘土など、特定のものが苦手と答える人もいました。聴覚に加え、触覚についても適切に対応することが大切です」