小中学生の8.8%が該当 発達障害は「触覚過敏」に悩むケースも多い
「発達障害」と診断される人が増えているという。症状のひとつとして大きな音を苦痛に感じる「聴覚過敏」が知られているが、最近、今まで必ずしも重要視されていなかった「触覚過敏」に悩む人が少なくないことも明らかになった。国立障害者リハビリテーションセンター研究所脳機能系障害研究部発達障害研究室長の和田真氏に詳しく聞いた。
発達障害とは、生まれつき脳の発達に違いがあることで社会生活に困難が生じる障害で、主に3つに分類される。
①「自閉スペクトラム症(ASD)」こだわりが強く、特定のことに強い興味や関心を持ち、発達障害を持たない定型発達の人とのコミュニケーションに困難が生じる。
②「注意欠如多動症(ADHD)」発達年齢に見合わない不注意や衝動的な行動を繰り返し、落ち着きがない症状がみられる。
③「学習障害(LD)」知的発達には問題はないが、計算や読み書きなど特定の分野にのみ困難が生じる。
昨年実施された文科省の調査によると、通常学級に通う小中学生のうち、8.8%がいずれかの発達障害の可能性があるという。2020年の米国の調査によると、8歳児の36人に1人がASDと診断されたと報告されている。さらに、大人になって社会生活を送る中で人とのコミュニケーションや業務に問題が生じ、生きにくさを感じることで発達障害に気づく人も多いという。