小中学生の8.8%が該当 発達障害は「触覚過敏」に悩むケースも多い
発達障害で感覚過敏になる原因は明らかになっていないが、脳の神経の発達に関わる遺伝子に違いがあることで感覚の調整に問題が生じて、感覚過敏を引き起こすとされている。発達障害がない定型発達の人は、強い光を見たり大きい音を聞いても徐々に慣れるのに対し、発達障害の中でも特にASDの場合は感覚の調節が難しく、必要な感覚刺激だけを拾えずにすべての刺激を受け取ってしまうという。実際、周囲の雑音など、自分にとって必要な注目すべき音以外もすべて同じ音量で聞こえてしまうことから、騒がしい環境での会話が難しいそうだ。
「触覚過敏の人は、衣服のタグを取り除いたり、たとえば木綿など自分に合った素材の服を選んで着ると不快感が改善されます。触られるのが嫌なお子さんには、外出中はハーネスの着用が有効です。また、聴覚過敏の場合、ノイズキャンセリング機能がついたヘッドホンや、耳栓、イヤーマフを着けると楽になります。ただ、触覚過敏も併発していると、自分に合わない素材の場合には長く着けているのが難しくなってしまうので、試着を十分に行いながら自身に合うものを探す必要があります」
また、発達障害では不安が強いときに感覚過敏が悪化することが分かっている。そのため、強いストレスを受けない生活を意識する必要がある。
発達障害は病気ではなく、生まれつきの“特性”といえる。それぞれが持つ特性を周囲が理解し、困りごとがある場合には協力して一緒に解決していくことが大切だ。