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森大祐整形外科医

整形外科全般診療に長年携わる。米国トーマスジェファーソン大学で人工肩関節の臨床研究を行い、2000例超の肩関節手術を経験。現在は京都下鴨病院で肩関節や肘関節、スポーツ障害患者に診療を行う。サイトで整形外科疾患の情報を発信。

「信頼関係の構築」と「治ることを諦めない」これが治療成功につながる

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 私は今年からこのコラムを担当し、整形外科疾患について、現在のトレンド治療について既知の研究を紹介しながら解説してきました。

 その中で反響かつ、私に問い合わせがあった9月5日付号の「肩関節痛は治療効果を信じている人ほど治療成績が良くなる」について私の実体験をお話しします。

 肩関節脱臼で受診した高校生の患者さんに、烏口突起移行術を施行したときのことです。烏口突起移行術は、肩関節の前にある烏口突起という骨を、肩関節の前に移動してスクリューで固定する治療法です。

 術後、この患者さんに手のマヒが生じてしまいました。手術時間が長くなったなど、複数の要因が重なったためでした。当然ながら、ご両親は大変ご立腹で、患者さんも落ち込んでおられました。

 術後1カ月、患者さんの手はほとんど動きませんでした。私は気まずい気持ちを抱えながらも、患者さんの回復具合を見るために毎日リハビリ室へ足を運び、手の状態をチェックしていきました。結果的に手は元通りに回復し、スポーツ復帰を果たせました。

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