子供のアトピー性皮膚炎(上)…生後6カ月から使える新薬が登場
「アトピー性皮膚炎の基本は塗り薬です。しかし、その塗り方が間違えている。『アトピー性皮膚炎が良くならない』という患者さんに薬の塗り方を指導すると、半分以上が正しい方法を知りません。そして適量を適切な方法で塗ると多くの方で症状が改善します」
「適量・適切な方法」とは、人さし指の第1関節まで絞り出した量を、手のひら2枚分の面積に塗る。フィンガーチップユニットと呼ばれる。
「薄くすり込んでは効きません。ティッシュをつけると落ちないくらいベッタリ塗ります」
さらに大事なのは、見た目が良くなっても薬の塗布をいきなりやめないこと。アトピー性皮膚炎の病態は三位一体と前述したが、見た目に症状はなくても、潜在的に炎症が残っている。炎症を完全に鎮めるため、間隔を空けつつも塗り続け、最終的には「ステロイドオフ」を目指す。
「私の場合、ステロイド外用薬を毎日塗るのは2週間程度、長くても1カ月です。その後は2日に1回、週に2回と減らしていく。きちんとルールを守ってステロイド外用薬を塗れば副作用は出ません。そしてこれまでは、そうした正しい治療でも症状が改善しない重症患者さんがいました。デュピクセントの登場で、小児でも新たに打つ手ができたのです」
明日は、アトピー性皮膚炎の小児の治療がなぜ大事かに触れたい。