子供のアトピー性皮膚炎(上)…生後6カ月から使える新薬が登場

公開日: 更新日:

 アトピー性皮膚炎の新薬が2018年以降続々と登場し、その効果の高さが注目されている。ただし、小児に使える薬は非常に限られていた。ところが昨年9月、新薬のひとつデュピクセント(一般名:デュピルマブ)が生後6カ月から使えるようになった。日本では初めてのことで、小児のアトピー性皮膚炎で知っておくべきことを2回にわたりお伝えする。

 ◇  ◇  ◇

「デュピクセントが生後6カ月から使えるようになり、小児のアトピー性皮膚炎の治療が劇的に変わりました」

 こう言うのは、近畿大学医学部皮膚科学教室主任教授の大塚篤司医師。

 アトピー性皮膚炎の病態は、三位一体だ。「免疫の異常で起こる炎症」「乾燥肌によるバリアー機能異常」「かゆみ」の3つがあり、それらが互いに関連し合っている。乾燥肌やかゆみを改善しても、炎症(免疫の異常)が改善されなければ、いったん良くなったように見えても、また症状をぶり返す。

「従来の治療では、例えば炎症にはステロイド外用薬、乾燥肌には保湿剤、かゆみには抗ヒスタミン薬というように、それぞれ対策が異なりました。一方、昨年9月から生後6カ月以上に使えるようになったデュピクセントは、炎症、乾燥肌、かゆみ全てに関連するタンパク質IL-4、IL-13をブロックする作用があります」(大塚医師=以下同)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇