子供のアトピー性皮膚炎(上)…生後6カ月から使える新薬が登場
成人を対象にした治験になるが、デュピクセントとステロイド外用薬を用いた群は、16週目で、世界的に頻用されるアトピー性皮膚炎評価指標EASIスコアにおいて75%達成率(75%改善)が68.9%だった。なお、プラセボ(偽薬)+ステロイド外用薬では23.2%。
「私が診ていた16歳の患者さんはステロイド外用薬でアトピー性皮膚炎がなかなか良くならなかった。デュピクセントを使い始めたところ、かゆみがなくなってかき傷が良くなり、6週間時点では皮膚のゴワゴワはまだ完全に改善しないものの、赤い湿疹がきれいになくなりました」
■まずは従来薬を正しく使う、それでもダメなら注射
デュピクセントは注射薬だ。小児では体重によって打つ間隔や用量が異なる。5キロ以上15キロ未満では200ミリグラムを4週間に1回の投与となる。ただ、すべての小児アトピー性皮膚炎患者にデュピクセントが必要なわけではなく、7割くらいの患者は従来薬でコントロールでき、小学校卒業までには症状が消えた状態を維持できるようになる(=寛解)。