日本温泉科学会会長に聞いた…「温泉」はなぜ「腰痛」にいいのか
「腰痛に温泉が良さそう」と思っている人は多いだろうが、「なぜ良いのか」となると、首をかしげるのではないか。日本温泉科学会会長で、国際医療福祉大学大学院教授の前田眞治医師(リハビリテーション専門医)に話を聞いた。
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「温泉の腰痛への効果は、かなりの部分が科学的に証明されています」(前田医師=以下同)
温泉に漬かると体がポカポカし、それが持続する。この経験は、温泉経験者なら誰にでもあるだろう。前田医師は、健常な成人15人(平均21.7歳)に4つのタイプの風呂へ、異なる日にランダムに全身入浴してもらい、入浴前、全身浴、出浴後の深部体温を測定した。4つのタイプの風呂とは、水道水を温めたものと、いずれも温泉に該当する塩化ナトリウム(食塩泉)、炭酸水素ナトリウム(重曹泉)、二酸化炭素(炭酸泉)。湯温は41度、全身浴の時間は15分とした。
するといずれも深部体温は上がったが、水道水が1.0度の上昇に対し、食塩泉、重曹泉、炭酸泉では1.5度まで上昇。上昇スピードが速く、出浴後も深部体温が高い状態が続いた。