その瞬間に時間が止まりました…漫画家のやよいかめさん副鼻腔がんとの闘いを振り返る
ところが、その動注化学療法をした夜に、突然、大嘔吐をしてしまいました。どうやら血管やカテーテルを見やすくするための造影剤にヨードが含まれていて、その成分にアレルギー反応を起こしてしまったようです。1000人に1人の確率に見事に当たってしまいました(笑)。次に同じアレルギー反応を起こしたら命に関わるかもしれないので、もう私はカテーテル手術ができない体です。
残りの放射線を受けたあとに、2回目の抗がん剤治療を受けました。ヨードアレルギーのため普通の点滴になりましたが、無事にがんが小さくなってくれたので内視鏡手術が可能になりました。もし、がんが小さくならなかったら切開手術を免れませんでした。レジェンド先生は、切開のほうがより深く取れるので安心だとオススメしてくれたのですが、やはり顔が変わるのは怖かったんですよね。
じつは、その手術でも大ハプニングがありました。全身麻酔だったのに手術直後からうっすら意識があり、変な息苦しさを感じました。訴えたいけれど体は動かず、声も出せません。麻酔の切れかけで覚醒と朦朧を繰り返す中、病室でふと意識が戻るとやはり息苦しい。「これはやばい」と思って、動くようになった手で猛烈にナースコールを連打しました。でも声が出ないので、駆けつけた看護師さんは、せん妄(麻酔から覚めかけに起こる混乱状態)だと思ってわかってもらえません。