その瞬間に時間が止まりました…漫画家のやよいかめさん副鼻腔がんとの闘いを振り返る
1週間後、結果を聞きに行くと、診察室に入ってすぐ「悪性の腫瘍が見つかりました」と告げられました。「がん、ですか?」と聞くと、「そうです」と返ってきて、その瞬間に時間が止まりました。
叔母と父親をがんで亡くしているので、自分もがんで死ぬのか……とショックを受けました。と同時に、2人の子供のことを思いました。まだ小学校の低学年と中学年です。「ここで私が死ぬわけにはいかない」と、強い気持ちが湧いてきました。
夫の親戚に医療関係者が多いので、福島の評判の良い病院を聞きまくって、耳鼻科のレジェンドと言われる医師のいる病院に入院しました。入院にあたって、子供たちには本当のことをきちんと話しました。隠すことで家族を信用できなくなるのが一番よくないと思ったからです。すると、「さびしくても僕たち頑張るから、お母さんは早く病院へ行って治して」と言ってくれました。
■切開手術で顔が変わるのが怖かった
治療は、放射線と抗がん剤でがんを小さくしてから外科的手術をする段取りになりました。放射線は全30回。10回目が済んだところで、動注化学療法といって足の太い血管からカテーテルを患部まで通してピンポイントでがんを叩く抗がん剤治療をしました。周囲へのダメージが少ないことが利点です。