世界に先駆けて日本で発売された ミトコンドリアに作用する糖尿病新薬の評判
イメグリミンの有効性や安全性に関する臨床試験はTIMES(Trials of I Meglimin for Efficacy and Safety)と名づけられた臨床プログラムで検討されている。
「その中でも重要な臨床試験が『TIMES 1』です。これは20歳以上で2型糖尿病を患う日本人213人(HbA1cが7~10%)を対象とした二重盲検ランダム化比較試験で、被験者はイメグリミン1000ミリグラムを1日2回経口投与する群と、偽薬を投与する群にランダム化され、24週後の平均HbA1c変化が比較されました。その結果、イメグリミン群の変化量は偽薬群と比較してマイナス0.87%となり、有効性が確認されたのです」
他の血糖降下薬を併用した場合の安全性については、同薬の第3相臨床試験プログラムである「TIMES 2」試験で検討されている。
このプログラムでは2型糖尿病を患う日本人714人を対象とした二重盲検ランダム化比較試験が行われ、被験者はイメグリミン1000ミリグラムを単独または併用療法(α-グルコシダーゼ阻害剤、ビグアニド、DPP-4阻害薬、グリニド、GLP-1、ナトリウム・グルコース共輸送体<SGLT>2阻害薬、スルホニル尿素、チアゾリジンジオン)として52週間、1日2回経口投与された。52週目に、HbA1cはイメグリミン単剤療法で0.46%、イメグリミンの経口併用療法で0.56~0.92%、GLP1-RA注射療法で0.12%減少した。DPP-4とイメグリミンの併用で最大の正味HbA1c減少(0.92%)となった。この結果、同試験では「イメグリミンは日本人の2型糖尿病患者において、単剤ならびに併用のいずれにおいても忍容性(薬の副作用の程度を表したもの)が高く、長期にわたる安全性、有効性を示した」と結論付けている。