適切な治療や薬を知っておくためガイドラインを活用したい
今年4月に「成人肺炎診療ガイドライン2024」が発刊されました。診療ガイドラインには、その疾患の診断方法や標準的な治療方針などについて最新の情報が記載されています。多くの医療従事者にとって、さまざまな疾患の診療ガイドラインから学ぶことはとても大切です。
薬剤師にとっても、自身の知識を深めることはもちろん、医師への疑義照会で非常に役立ちます。薬剤師は、処方箋に従って調剤を行う際に、書かれている用量・用法は適正か? 相互作用(飲み合わせ)は問題ないか? 副作用や薬物アレルギーの疑いはないか……など多くの内容をチェックしています。
この時、患者さんの状態も確認するのですが、「この病態の患者さんにはこの薬は避けたほうがよいのでは?」と感じることもあります。たとえば、軽症の肺炎にここまで広い範囲の細菌に効果のある抗菌薬は必要ないのでは……などです。
しかし、薬の飲み合わせなど薬に関する疑義照会は医師にも受け入れられやすいのですが、病態などを踏まえた疑義照会は医師に受け入れてもらいづらいのです。なぜなら、医師は病態や診断の専門家だからです。