SNSの落とし穴…偽情報も繰り返されれば真実だと思い込む
何度も同じ内容を繰り返されると、たとえそれが疑わしくても信じてしまうことがあると思います。
たとえば、友人から「あの店のパスタ、おいしかったよね」と言われたとします。行った記憶がないため、「え? 私は行ってないと思うけど」と返答したとしても、「いやいや、行ったじゃん!」と繰り返し執拗に言われると、「そうかもしれない」と思い込んでしまう--。これは、珍しいことではありません。
キングストン大学のヘンダーソンらは、同じ情報を繰り返し聞くことで、その情報の真偽判断がどのように変化するかを実験しています(2021年)。まず567人の被験者に、さまざまな話題に関する短い文章を見せ、それらの文章の中に同じものが何度か出てくるようにしました。その上で、それらの文章が真実だと思うかどうかを評価してもらったのです。
さらには、同じ文章を見せる間隔を変えて、その効果がどのように変化するかも調べました。すぐに見せる場合、1日後、1週間後、1カ月後と、時間の経過とともにその効果がどのように変化するかを比較したわけです。