免疫チェックポイント阻害薬によるがん免疫療法はどう評価されているのか…医師・患者1000人調査

公開日: 更新日:

 かつては死に至る病気だったがんが、共生する病気に近づきつつある。 その原動力のひとつとなったのが、免疫チェックポイント阻害薬(ICI)によるがん免疫療法だ。ICIとは免疫細胞の働きを抑制する「免疫チェックポイント」を阻害する治療薬で、免疫がん細胞への攻撃力を保つ。日本国内で8種類が承認、使用されている。

 今年はICIの国内誕生から10年。いまの評価はどうか?

 7月24日、都内で「ICIによるがん免疫療法のいまとこれから」(主催:小野薬品工業=以下小野薬品、ブリストル・マイヤーズ スクイブ)と題するメディアセミナーが開かれた。小野薬品は2014年にICIの先駆けとなるオプジーボを世界で初めて発売した国内製薬会社である。

 同社の相良暁会長は「新しい治療法を推定19万人に供給できた。よく効いた患者さんや家族らから感謝の声が寄せられ製薬会社ならではの喜びを感じているが、課題を含めてこの治療法の認知度アップが必要」と挨拶した。

 実際、同日発表の「ICIを用いたがん免疫療法の現状」の調査結果がそれを浮き彫りにした。 調査はがん治療に携わる医師100人とがん患者900人(ICI療法経験者200人、未経験者700人)を対象にオンラインで実施。医師の90%がICIを「新たながん治療の選択肢として地位を築いた」、87%が「さらなる発展を期待したい治療法である」と評価した。ICIによるがん治療経験患者の68%が「治療選択肢が増えてうれしい」「がん患者にもっと広く知られてほしい」と回答した。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    都心のマンションで急増する“性感メンズエステ”驚愕の実態「まったく気付かず…」と住民唖然

  2. 2

    楽天・田中将大は今や球団の「厄介者」…大幅負け越し&パワハラ関与疑惑に年俸2億円超ダウン

  3. 3

    桜井ユキが6年前、松坂桃李と演じた激しい濡れ場…朝ドラ「虎に翼」“涼子様”で人気全国区に

  4. 4

    楽天・田中将大に囁かれていた「移籍説」…実力も素行も問題視されるレジェンドの哀れ

  5. 5

    中日「ポスト立浪」に浮上する“第3の男” 侍J井端弘和監督、井上一樹二軍監督の名前が挙がるが…

  1. 6

    悠仁さま“親がかり”の「東大推薦」に1万2500人超の反対署名…志望校変更に現実味も

  2. 7

    阪神「常勝軍団」構築は“オカダの考え”がカギ…試合前に捕手に“講義”、名指し公開説教は日常茶飯事

  3. 8

    夏ドラマ唯一の“ロス”は読売テレビ深夜ドラマのみ?「ブラックペアン2」ですら話題にならない深刻

  4. 9

    【特別対談】南野陽子×松尾潔(3)亡き岡田有希子との思い出、「秋からも、そばにいて」制作秘話

  5. 10

    桂菊丸&泉アキ夫妻 熱海で「自給自足」スローライフ満喫