義足はどういった流れで作られているのか…まずは断端管理
義足には、切断して残された足の部分(断端)を収納する「ソケット」と呼ばれる筒状の部品があります。主に熱硬化性樹脂で作られ、おのおのの断端に合うようオーダーメードで作ります。しかし、足を切断した直後は断端がパンパンに腫れて硬くなり、断端は球根のようないびつな形になりやすい。その状態のままソケットの型取りを行うと、腫れが引いた後に断端の太さとソケットの幅が合わなくなり、装着しても緩くしっかりと足にはまりません。
断端の形を整えるためにも、最初に行うのが「断端管理」です。断端を弾性包帯で締め付けて、足の形を先細の円柱状にする方法で、医療の現場においては「ソフトドレッシング」と呼ばれています。包帯を足の先端に向かってしっかりと巻くと、約2~3週間後にはむくみが取れ、硬かった断端はマシュマロのような柔らかさになります。足の形状が安定したら、義肢装具士が断端の周りにギプスを巻き足の型を取り、取り除いたギプスの中に石膏を流し込み足のモデルを作ります。硬化したらそのモデルの上に熱した飴状の樹脂をかぶせ、患者さんの断端にピッタリはまるソケットが作られているのです。採型から早くて1カ月で完成します。