今年4月から先進医療に認定 「子宮腺筋症」の最新治療…妊娠を望むなら知っておきたい
強い月経痛や月経過多に悩まされる「子宮腺筋症」。認知度は低いが、女性の20~30%が罹患しているとされ、不妊のリスクにつながるとの報告もある。東京大学大学院医学系研究科産婦人科学講座教授で、日々、子宮腺筋症の診療にあたる廣田泰氏に聞いた。
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子宮は、内側から子宮内膜、子宮筋層、漿膜の3層構造になっている。何らかの原因で子宮内膜に似た組織が、子宮筋層内に入り込んだ状態を「子宮腺筋症」と呼ぶ。
「子宮は筋肉からできている臓器なので伸び縮みする特徴がありますが、子宮腺筋症ができると筋層の組織が硬くなるので、子宮全体がうまく伸縮できません。そのためアンバランスな強い子宮収縮がおこり、月経痛が強くなったり、止血の効果が薄れて出血が止まらなくなりやすい」
症状はほかにも、月経過多に伴う貧血、不正出血のほか骨盤痛などが挙げられる。子宮腺筋症に似た症状が見られる「子宮内膜症」や「子宮筋腫」を合併するケースも非常に多く、子宮腺筋症患者の20%に子宮内膜症、65%に子宮筋腫を合併するとされている。