今年4月から先進医療に認定 「子宮腺筋症」の最新治療…妊娠を望むなら知っておきたい
■4月から先進医療に認定
子宮腺筋症病巣除去術は、全身麻酔下で開腹し、子宮腺筋症の病変部だけをメスで取り除いて正常な子宮を温存させる治療だ。2005年から先進医療として高周波切除器を用いた術式で行われていたが、今年4月、手術器具を問わない術式として厚労省により先進医療として認定された。
「子宮腺筋症病巣除去術は子宮筋層に深く入り込んだ病巣をしっかり取り除いたうえで周囲の組織を縫合して子宮を形成する手術です。この工程の難しさが、まだ保険適用として認められていない理由とされています。術後は経血量や月経痛の症状が改善されるだけでなく、流産や早産、妊娠高血圧症候群の頻度が減少するなど手術自体のメリットが大きいことがわかってきています」
ある40代前半の女性は、約5年間体外受精での妊娠を試みたがなかなか着床せず、妊娠に至っても流産を繰り返していた。やがて耐えがたい月経痛から解放されたいと、東大病院での子宮腺筋症病巣除去術を決意。10日間の入院と、退院後2年の通院を経たのち妊娠し、母子ともに健康な状態で無事に出産した。