今年4月から先進医療に認定 「子宮腺筋症」の最新治療…妊娠を望むなら知っておきたい
「さらに子宮腺筋症の方は不妊で着床しづらくなったり、妊娠しても流産や早産のリスクが高くなることが報告されています。患者さんの多くは30代後半から40代に発症するので、妊娠を希望される方の場合には、何らかの治療を検討する必要があるのです」
治療は主に保存的療法と外科的療法に分けられ、一般的なのがホルモン療法だ。「黄体ホルモン製剤」は、痛みの症状のほかに病巣のサイズを縮小させて進行を抑えることから、治療の第1選択とされている。痛みの症状を抑えるために「低用量ピル」が用いられることもある。ホルモン療法での効果が十分でなく、子宮筋腫や子宮内膜症を合併している場合には、女性ホルモンの分泌を抑えて一時的に閉経状態にする「GnRHアンタゴニスト」や「GnRHアゴニスト」という薬が処方されるという。
「GnRHアンタゴニストやGnRHアゴニストは、骨密度の減少や更年期症状といった副作用があるため、6カ月で使用を中断しなければならない。保存的療法で治療効果が悪い場合に選択されるのが手術です。産婦人科診療ガイドラインでも、子宮全摘が根治的治療と記されていますが、全摘出を望まない患者さんも多くいます。将来の妊娠を考えている方を対象に行っているのが『子宮腺筋症病巣除去術』です」