整形外科医が教える体メンテナンス(1)変わってきた「慢性腰痛」の治療法
9月後半まで続いた猛暑の影響で、何となく体の調子が悪いという人も多いかと思います。この時期の不調は「秋バテ」と言われていますが、年間を通して日本人の体の不調で多いのが腰痛と肩こりです。
厚労省の調査(令和4年国民生活基礎調査)では、有訴者率(病気やけがなどで自覚症状がある人)のトップが腰痛、2位が肩こりと上位を整形外科関係の不調が占めています。
にもかかわらず「腰痛・肩こりは年のせいだから仕方ない」と、放置している人も多いのではないでしょうか。
長年、腰痛・肩こりの患者を診てきた整形外科専門医の冲永修二氏(東京逓信病院整形外科)は「腰痛も肩こりも病名ではなく症状名。原因はさまざまなので、まずは原因を見つけ、それに応じた対処をすることが重要です」といいます。
腰痛の原因には、椎間板ヘルニアや変形性腰痛症といった整形外科の病気の他に腎臓や子宮など内臓の病気や心因性のもの、まれですががんの転移や大動脈解離など命にかかわる病気が隠れていることもあります。