著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

散らかった部屋やオフィスは「発想力」「想像力」を刺激する

公開日: 更新日:

 ヴォーズの研究では、48人の被験者を次の2つの部屋にわけました。①書類がきっちりと机の上に片付けられている「整頓された部屋」②書類が机の上や床に散乱している「散らかった部屋」。

 そして、ピンポン球を作る製造会社のために、「ピンポン球の新しい使い方を考える」という、創造性を問う課題を与えました。すると、散らかった部屋の被験者のほうが、創造性が高くなるという結果が報告されたのです。置かれている環境が、好みや選択、そして行動を変えることも証明されたといいます。

 また、別の実験では、整頓された部屋でメニューを考案した参加者は、伝統的なレシピをベースにしたものが多かった一方で、散らかった部屋の参加者は、常識を覆すような創作料理を多く生み出したという報告もされています。

 ヴォーズらの研究によれば、整頓された環境にいる人は、伝統や慣習に倣いがちで、勉強や日頃行っている作業に集中できるとのこと。その一方で、散らかっている環境にいる人は、それらから解き放たれるとしています。つまり、日常業務的な仕事をするのであれば、整頓されているデスクの方が好ましいが、発想力を求められるような仕事においては、デスクの周辺にさまざまなものが置かれている方がアイデアが浮かびやすいというわけです。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…