毎日の「飲み物」が心の健康を左右する? 英国での大規模調査の報告
科学技術が発達した現代社会においては、便利で快適な生活を営むことができる一方、過剰なメディア情報や、社会的・経済的な格差によって、ストレスを受ける機会も増加しています。そのため、先進諸国ではうつ病や不安障害など、メンタルヘルス障害を患っている人の数は増加傾向にあります。
食事や飲料の摂取パターンもまた、メンタルヘルスの状態と密接に関連していることが知られています。そのような中、飲料の摂取習慣とメンタルヘルスの関連性を検討した研究論文が、感情障害に関する学術専門誌の2025年2月号に掲載されました。
英国で行われたこの研究では、研究を開始した時点でうつ病や不安障害を有していない18万8355人(平均56.2歳)が対象となりました。研究参加者に対するアンケート調査に基づき、飲料の種類や摂取頻度に関する情報が収集され、うつ病および不安障害との関連性が、約11年にわたって追跡調査されました。その結果、60歳未満の研究参加者において、各飲料を摂取しない人と比較したうつ病のリスクは、砂糖入り飲料の摂取が1日1杯超の人で14%、人工甘味料入り飲料の摂取が1日1杯超の人で23%、統計学的にも有意に増加しました。