「差し込み学習」をすると勉強効率が大幅アップする
こうした学習方法を「差し込み学習」(インターリーブ学習)と呼ぶのですが、南カリフォルニア大学の研究でも、「異なる分野の問題を交互に解くことで脳が活性化され、長期的な記憶形成が促進される」と報告されているほどです。
私たちは、「集中して一つのことを学習した方がいい」と思い込んでいるところがありますが、実際にはいろいろなタイプの問題をシャッフルして取り組んだ方が学習効果は高まるのです。
また、その際に適度に休憩をはさむことも肝要で、短時間のゲームが息抜きになることを示す慶応義塾大学の田中による研究(2020年)があります。15歳から69歳までの成人1万5000人を対象に実施した大規模調査によると、「平日にゲームをやる時間の平均が1時間を超えると学力は低下し、逆に1時間未満では学力が向上する」という結果が明らかになっています。つまり、ゲームは1時間程度であれば、学力を向上させる可能性があるというわけです。
同様に、ドイツのライプニッツ教育トランジェクトリ研究所の3554人を対象とした調査でも、ゲームで遊ぶ時間が長いと、2年後に成績の低下が見られる一方で、勉強時間を確保できている被験者には、ゲームのプレー時間は数学と読解の成績に影響を与えていないことが分かったといいます。