「15分間の昼寝」+「冷たいタオル」でパフォーマンスUP
2019年に経済協力開発機構(OECD)が公表した各国の平均睡眠時間のデータによると、日本人の平均睡眠時間は7時間22分だといいます。
7時間も確保しているわけですから十分な睡眠時間のようにも思えますが、実は調査対象の約30カ国中、最も短い結果となっています。各国を平均した睡眠時間は8時間23分で、もっとも平均睡眠時間が長かったのは南アフリカ共和国の9時間21分でした。実に、日本とは2時間も異なるため、世界各国さまざまな睡眠事情があることがうかがえます。
7時間22分という数字だけ見れば聞こえはいいですが、これは日本人の平均睡眠時間。つまり、子どもも高齢者も含まれています。実際に、国民健康・栄養調査報告(2019年)によると、40~49歳の1日の平均睡眠時間で、もっとも回答が多かったのは「5時間以上6時間未満」(36.5%)。働き盛りに限って言えば、睡眠時間は十分ではないと言えるのです。
前回の本欄で紹介したように、アルツハイマー型認知症の原因物質であるアミロイドβというタンパク質は、睡眠中に脳の血管から脳外へ排出されます。すなわち、睡眠時間が足りないと、アミロイドβが脳に蓄積され、認知症リスクが高くなってしまうのです。