大分・宮崎「震度5強」やはり南海トラフ巨大地震と関係あるのか…“最悪のシナリオ”は
宮崎県東部に位置する日向灘で地震が相次いでいる。22日には大分や宮崎で震度5強、マグニチュード6.6の揺れを観測。23日も震度1~2の地震が続いた。果たして、南海トラフ巨大地震が迫っているのか。
震源地の日向灘は、南海トラフ地震の想定震源域内。気象庁は同域内でマグニチュード6.8以上の地震を観測した場合、南海トラフ地震の可能性について国民に周知する「評価検討会」を開催するが、基準に達しなかったため臨時会の開催を見送った。
南海トラフ地震を巡っては、政府の地震調査委員会が今月13日、南海トラフで今後40年以内にマグニチュード8~9級の地震が発生する確率を「80~90%」から「90%程度」に引き上げたばかり。気象庁は今回の地震が南海トラフ地震の震源となるプレート境界に与える影響については「分からない」としたが、心配は拭えない。立命館大環太平洋文明研究センター特任教授の高橋学氏が言う。
「昨年8月に発生した小笠原諸島海底の『福徳岡ノ場』の噴火も、トンガの海底火山で起きた噴火も、そして今回の地震も全て関連しています。いずれも原因は、地殻変動を起こしている太平洋プレート。今回の地震は、太平洋プレートに押されたフィリピン海プレートが、西日本地域のユーラシアプレートの下に潜りこみ、プレート内部で発生したと考えられます。ひずみに耐えられなくなったユーラシアプレートが跳ね上がると南海トラフ地震が発生します。“黒幕”の太平洋プレートの影響でユーラシアプレートとフィリピン海プレートの境界にジワジワとエネルギーがたまっているので、今回の地震が南海トラフ地震に『関係ない』とは言えません」
南海トラフ地震のような海溝型地震の後には、巨大噴火も発生する恐れがあるという。最悪の場合に備えた方がいい。