元テレ東・赤平大アナ「発達障害の人が才能を生かせる世の中に」 長男をきっかけに動画メディアで起業
小中学生の8.8%に発達障害の可能性があることが、昨年12月に発表された文科省の調査結果で明らかになった。
学習面や行動面で著しい困難を示す発達障害は年々認知されつつあるが、症状そのものは目に見えづらく他者理解が進んでいない。そのため、子どもだけでなく大人でもいじめの対象になりやすい。
LGBTQなど、多様性を重視する世の中になったが、「発達障害の当事者が生きやすい状況にはまだほど遠い」と話すのは、元テレビ東京アナウンサーの赤平大(あかひら・まさる)さん(44)だ。赤平さんは2009年にテレ東を退社後、フリーのアナウンサー、ナレーターとして活動。それと並行して21年に起業し、翌年には発達障害・ギフテッド支援の動画メディア「インクルボックス(incluvox)」を立ち上げている。
「発達障害の特徴の一つである、いわゆる“空気が読めない”と言われる行動などによって、本人が社会のさまざまな場面で苦しむことがあります。健常者でも日常生活で苦しむ人は山ほどいるので両者にそれほど差異はありませんが、発達障害の人はより苦しみの度合いが深く、社会適合が難しい状況に置かれています。障害とつくので病気と思われがちですが、医学部には発達障害に関する学科はなく、特段の治療法もありません。病気ではなく脳神経を由来とする個性や多様性というのが正しい解釈です」