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田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

市川團子の活躍で再注目 芸能人の子息が通う青学初等部の“華麗なる人脈”…杏、寺島しのぶも卒業生

公開日: 更新日:

 市川猿之助の代役を務め上げた市川團子の活躍で、クローズアップされる青山学院初等部の歌舞伎人脈。市川団十郎、中村芝翫中村勘九郎ら、きらびやかなネットワークが浮かび上がってくる。

「歌舞伎界に限らず、芸能界全体でも大物やその子どもが目立つ」と話すのは青学初等部OBの同窓会元役員だ。

 名門小学校のライバル慶応幼稚舎も芸能人やその子弟がたくさんいるが、青学はそれ以上。数々の映画賞に輝く寺島しのぶも初等部出身。父は人間国宝の尾上菊五郎なので、歌舞伎人脈ともいえる。弟の尾上菊之助も初等部OBだ。

 世界的俳優・渡辺謙の長男・渡辺大、長女・杏。古谷一行を父に持つミュージシャンの降谷建志。元横綱貴乃花の長男でタレントの花田優一も初等部に通った。

 初等部の魅力はなんといっても、エスカレーター式に上級校に内部進学できること。青学ブランドが大学まで保証されているのは大きい。だが、芸能界の場合は必ずしもそれは当たらない。これまで名前を挙げてきた中で青学大まで進んだのは在学中の市川團子、渡辺大、寺島しのぶ・尾上菊之助姉弟の4人だけだ。

青学祭でライブ、桑田佳祐の強い母校愛

「保護者にセレブが多く、芸能人の子どもがいるからといって誰も騒いだりしない。そのブランド力もさることながら、安心して通わせられるというのがここを選択するひとつの理由になっている」と解説するのは初等部の内情に詳しい幼児教室経営者だ。行事に参加した著名人の写真や動画がSNSで流される心配もないというのだ。ただ、かつて問題になったことも。

「随分前ですが、運動会に参加する芸能人の写真が週刊誌に載った。保護者のひとりが撮ったものがそのまま提供されてしまったんです。しつこく注意するようになったので、そうしたことはほとんど起こらなくなりましたが」(初等部関係者)

 初等部の保護者で多いのは自身も青学出身であるケース。

「非常に過ごしやすい学校なので、自分の子どもも入れたいと思うようになる」と話すのは前出の同窓会元役員だ。これは芸能人にも当てはまる。その代表格は初等部OBの俳優・高橋克典。子どもを初等部に入れただけでなく、「同窓会の活動にも熱心に参加している」(同)という。

 大学から青学に入った桑田佳祐・原由子夫妻も息子を初等部に入れている。

「桑田さんは運動会の保護者競技にも出て人一倍ハッスルしていた」と初等部関係者。桑田の母校愛が最も発揮されたのは1994年10月。青学祭でライブを開催した。全28曲の締めはサザンオールスターズの「YaYa(あの時代を忘れない)」。原由子も加わり熱唱した。

「青学の第二の校歌とも呼ばれる曲。いつにもまして心に響いた」と会場にいた同窓会元役員は振り返る。こうした保護者たちの頑張りもあって、青学ブランドは一層、揺るぎないものになっていくのだろう。



◆田中幾太郎の著書「名門校の真実」」(1540円)日刊現代から好評発売中!

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