肉や野菜を「硬水」で煮るとおいしくなるのはなぜ?「軟水」の日本に適した料理は?
「例えば、お肉を硬水で煮るとミネラル分が付着して臭み成分(タンパク質)がアクとして排出され、柔らかくなります。硬水で煮たり茹でたりすると、イモはデンプンやペクチンの排出が抑えられ煮崩れしにくく、米はパラッと、パスタはコシがある状態に仕上がり、冷めてもくっつきにくくなります。逆に、昆布などは軟水でダシを取るとうまみが抽出されやすくなるほか、米をふっくらさせたり和食全般に適しています」(よしださん)
ほかにも、パエリアやビーフシチュー、ブイヨンなどは、硬水で調理するのが適している。
「本場スペインのパエリアがおいしく感じるのは、硬水が使われている点もあるように思います。肉と野菜を硬水で長時間煮込むことで、澄んだスープのブイヨンも比較的簡単に作れます。沖縄では地域によって硬水と軟水に分かれるので、沖縄そばも昔は硬水で豚肉など動物性のダシを取るところと、軟水で野菜ダシを取るところがあったようです。硬水のミネラルウオーターが手に入りにくい場合は、軟水1リットルににがり1滴ほどを垂らすと硬度が20程度上がります」(よしださん)
食材や料理によって水を使い分けることで、仕上がりが変わり味も格段においしくなるという。