肉や野菜を「硬水」で煮るとおいしくなるのはなぜ?「軟水」の日本に適した料理は?
〈エビアンで煮込むと牛肉は柔らかくなり、じゃがいもは煮崩れしない〉
X(旧ツイッター)の投稿に3.4万いいねがついている(2日現在)のが、料理の際に水の硬度が食材に及ぼす影響について。これは、肉や野菜などの煮込み料理にはある程度硬度の高い水が適している、という論文が元になった投稿だ。
「『海外で昆布ダシをとったら味が薄かった』『パスタがうまく茹でられない』などと耳にすることがありますが、日本の水道水やミネラルウオーターは沖縄などを除き軟水がほとんど。欧州などは硬水が多く、水の硬度は場所ごとに異なり、料理の出来に水が影響を及ぼすことは意外と知られていないようです」(料理家でライターのよしだゆみさん)
水の硬度によって料理のおいしさが変わることを初めて知ったという声も聞かれる。
そもそも硬度とは、水に含まれるカルシウムとマグネシウムの量から算出される値。WHO(世界保健機関)の基準では、硬度0~60ミリリットル未満を軟水、60~120ミリリットル未満を中程度の軟水、120~180ミリリットル未満を硬水、180ミリリットル以上を非常な硬水としている。