【月山祐寿司】(大阪・千鳥橋)“親分肌”の現店主は創業300年近い超老舗で腕を磨いた

公開日: 更新日:

 金額を気にすることなく、寿司を腹いっぱい食べたい。江戸時代の江戸前は、庶民が屋台で空腹を満たすファストフードだったはずだ。そこで、編集部はそんな江戸の気概を今に受け継ぐ店を見つけてきた。夜でも5000円でお釣りがくる良心的な町寿司を!

 筋金入りの親分肌だ。新型コロナウイルスが猛威をふるった4年前。オーナーが「もうアカン。倒産や。店を畳む」と通告してきた。スタッフだった現店主・藤田満さん(65)はひるむことなく直談判した。

「ボクにやらせてほしい。店は借金して買い取り、ローンで必ず返済する」

 第一に考えたのはコロナ禍で再就職も難しい3人の従業員のこと。「おまえら辞めるか。それとも続けるか」と問うと、全員が目を赤くして「ここで働きたい」と訴えた。

 もうひとつは常連客のこと。持ち帰りでほぼ毎日やってくる年配女性や近所の住民、トラックの運転手らが「大変みたいやけど絶対に潰さんといてな」と声を上げていた。「アカンかったらアカンでいい。とにかくやってみなければ何も始まらない」と腹をくくった。

「魚を知らない人が多いよね。だから魚のうまさを提供したい」と、店の運営方針は単純明快だ。出身地の島根・隠岐の島で小学校2年から漁に出て、海にも潜った。関西にやってくると、創業300年近い超老舗の寿司店で腕を磨いた。そんな経歴が「魚を見る目」を鍛え抜いた。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    小室佳代さんは眞子さんを「配偶者」と呼び、秋篠宮さまは圭さんを「夫の方」と呼ばれ…自伝本が深めたミゾ

  2. 2

    松坂桃李「御上先生」は連ドラの“勝ちパターン”を外してしまった? 1ケタ陥落で疑われる《失速と中だるみ》

  3. 3

    開成合格でも渋幕に入学する学生が…強力なライバル校出現で揺らぐ唯一無二の存在

  4. 4

    “選挙のプロ”立花孝志まさかの凡ミス赤っ恥…第一声「神戸→船橋」急きょ変更のお粗末

  5. 5

    中村芝翫「同棲愛人と破局宣言」で三田寛子の夫婦関係はどうなる? “梨園の妻”の揺れる心中

  1. 6

    小室圭さん母・佳代さん まさかの「自伝本」出版に宮内庁が困惑…“魂の訴え”で秋篠宮家にまた逆風か

  2. 7

    三田寛子はアイドルから“梨園の妻の鑑”に華麗なる転身も…夫の不倫癖で扇千景さんの境地になれない

  3. 8

    大阪万博の目玉 344億円の巨大木造リングはほぼフィンランド産…「日本の森林再生のため」の嘘っぱち

  4. 9

    ドジャース佐々木朗希 異例の「マイナー相手に実戦登板」で見えた首脳陣の痛恨トラウマ

  5. 10

    なぜオリ山岡泰輔だけが名前を晒されたのか…SNSでは「不公平」「一律公表すべき」の声